2010年01月31日

『ココロコネクト ヒトランダム』





2010年1/30発売 [Amazon]
『ココロコネクト ヒトランダム』(著者:庵田定夏)
特集ページ

文化研究部に所属する高校生の5人の男女はある日、5人の間でお互いの人格が入れ替わるという 奇妙な現象に襲われるようになった。入れ替わっている時間も組み合わせもすべてバラバラで、5人は この現象に混乱しつつもなんとかこなせていた時、部の顧問である後藤が現れた。後藤は謎の存在である 「ふうせんかずら」に乗っとられていた。この現象は自分が引き起こした現象だといい、そして 終わるまで5人にはその状態で過ごせというのだ。5人は否応なしにそう過ごさざるを得なくなった。 そして5人の間にもこの入れ替わりをきっかけにして見えなかったものが見えてきて…。


この作品はいわゆるTS的な楽しみは弱いかもしれないけど、「入れ替わり」ものとしては かなり読み応えがあった。入れ替わり作品はよく「このテーマを採用した作品は結構あって このテーマを選んだ時点で安易である」などと言われるが、自分に言わせるとまだまだ 掘り下げが足りないテーマだと思う。入れ替わることで普段見えてなかったことが見えてくる という部分はどの作品にもあるのだが、入れ替わりの意義はそこで終わっていて、そこから 先にもこの状況を活かそうというものはほとんどない。

そんな中この作品ちゃんと浮き彫りになった問題を進めたり・解決したりすることにも ちゃんと入れ替わりの状況を利用していて感心した。唯の問題の解決策は太一の性格も よく出てるし女の子であんなことされた人は今までいなかった(笑)。伊織は自分の 抱えてる問題を確認するためにこの状況を利用していて、一瞬わからなかったけどすぐに あ、そういうことかと読んでいて得心が行った。入れ替わりという状況があってそれを 面白く利用できないか、この状況があればこんなことが出来るっていうのはこの 作品を読む限りじゃまだまだ可能性があるなあと感じた。

登場人物たちの考え方は理屈っぽくて青くさいんだけど、そこはライトノベルらしいとこでも あるし自分もそういう部分があるので個人的には悪い気はしなかった。あとはそれが果たして 作品として良かったかという部分。全体を見渡すと説教臭さが強いように感じるし、そこは とりもなおさず人を選んでしまうとこでもある。自分はTwitterで口絵3及び そのシーンが素晴らしいと絶賛したけど、そこは入れ替わりがあれば当然こういうことあるよねって いう部分(ベタだけど押さえてほしいシーン)でもあるわけだ。

色々書いたけど個人的にはかなり満足してます。あとはこの作品続き作れるのかな?っていう よけいな心配がちょっと。公式で公開されてる本編とは別の短編があるし、ファミ通文庫公式サイトでも プッシュがすごいから可能性としては十分あり得るけど、文化研究部の物語ではあっても 入れ替わりという展開はもう採用できないような流れ…。あと他メディアでは展開しづらいかなー というのも感じた。メディア的にはドラマCDか舞台は考えられるけどアニメとかは難しいだろうなあ。

posted by クロエ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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