2010年05月16日

『ないしょのつぼみ』(第6期)全体の感想





『ないしょのつぼみ』(第6期)(著者:やぶうち優
ちゃおフラワーコミックス 『ないしょのつぼみ』第6巻 [Amazon]

小学五年生の仁家つぼみはある日、席で隣に座るちょっとウマが合わない男の子の浦野天空(そら)と 美術室を掃除していた。誤って像を倒しそうになったショックでもつれてキスをしてしまった2人。 その後家で入浴中あくびをした途端2人は何故か入れ替わってしまう。翌日学校に行き話し合うのだが またふとした拍子で元に戻るのだ。どうも2人が同時にあくびをすることで入れ替わるように なってしまったらしい。

単行本も発売されましたので作品全体の感想を書こうと思います。前の雑記ではいくつか 苦言を呈してましたが、それは1話16Pの中で「入れ替わり・女の子の性の目覚め・つぼみの恋愛」という 3つの要素を同時にこなそうとして無理が生じてるというもの。また入れ替わりのきっかけである「あくび」は 同時にあくびをするなんてそうはないのでは?と気になってしまうとこ。ここらへんは文句というより ちょっと工夫すれば気にならなくなるのに…という惜しさから来るものです。

そんな感じで忙しさもあって雑記で扱うことはちょっと離れてたんですが、 ちょっと評価が変わってきたのが第6話。ここまでは入れ替わるタイミングが恥ずかしい 時の場合が多くて、つぼみにしてみれば入れ替わる(しかも男の子と)なんて 冗談じゃないくらいに思ってると思ってたけど、夏休みのある日、天空が ハワイへ旅行へ行くと聞いてつぼみは天空に対して入れ替わりを提案するわけですよ。





ここは正直驚きでした。言ってみれば女の子が「自分が男の子になっちゃう」ことや「自分の体を 男の子に使われる」ことより、「ハワイ旅行を体験してみたい」という意識が勝って自分から 入れ替わってほしいと言ってくるわけですよ。入れ替わった状況下で女の子側のが積極的っていう意味じゃ 『僕と彼女の×××』とかありますが、こちらは純粋に小学生向けの作品だというのに、 こういう展開ありなんだなーと。

そして、つぼみになった天空側にもここは結構美味しい展開になりまして。つぼみの友人たちと 一緒にプールにいって女の子として水着姿になるという。入れ替わりものはやはりお互いに色々体験 しないと美味しくないわけでそういう意味でもここは秀逸なシーン。好きな女の子の水着姿を 姿見で見て惚けてしまったり、友人の古戸に今の姿を見られて恥ずかしがるなど非常にいいポイントが 多い話なんですなこれ。





この後、入れ替わり状況は収まらない中でつぼみは天空の優しさに触れていって、 そのうちに好きになって、そして“入れ替わり”という現象が二人を繋ぐ特別な絆みたいな 位置付けになっていく。つぼみは元に戻るんじゃないかということで天空とキスをした後、 もう天空と入れ替われないかもしれないのは寂しいというようなことを思ってるんですよ。 これは正直凄い。ほとんどの作品でおかしくなってしまう現象として描かれる“入れ替わり”に、 この作品ではいい方向に価値を持たせてる。

最後の方で天空に告白する場面では「両思いなんだから(入れ替わりを)無理になんとかしようと しなくてもいい」とまで言っちゃう。そして二人ともこの入れ替わり現象を受け入れたまま、 先に進んでいこうという最後になるという驚くべきエンディング。今までの作品であれば、この入れ替わり現象は 二人の中を取り持つ奇跡だったんだ、みたいな感じで最終的に入れ替わりは収まるというものが多いんですが、 直らないまま終わるというのは小学生向けの作品としては相当冒険してます。

この二人のその後っていうのがまだ見ていたいと思わせるいい終わり方してますこれ。なんだかんだで 最終的な評価は高くなりました。本当オススメですこの作品。
ちなみに著者のやぶうち優氏が言われてるように最終ページは書き直されてますが、 日にちが経てば逆に雑誌掲載版の方がレアになると思いますので載せておきます。 コミック版でどうなったかは買って確かめてみてください。





posted by クロエ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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